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トンネル物語・2

落ち込みの理由。
それは二つありました。

一つは、これまでしてきた選択は全て自分の作った(思い込んでいた)枠(制限)
の中で行ってきたけれど、、実は枠自体どこにもなかったことをまざまざと実感
したことでした。

思い返せば子供の頃の「お姉ちゃんなんだから(しっかりしなくてはいけない)」
「お母さんは病気なんだから(心配かけてはいけない)」「家はお金がないから
(物を欲しがってはいけない)」に始まり、ずっと何らかの枠を自ら設定してきました。

最近までは「家族がいるから」「家族の了解が得られないから」「○○才だから」
などの枠の中で、出来ること(しても良いと思うこと)・出来ないこと(してはいけないと思うこと)
を選択していました。

私にとってそれは物事を選択する大前提であり、不満を持つことはあっても
疑問を持ったことは一度もありませんでした。

ここ数年間でヒーリングクラス、アドバンスクラスをはじめ幾人かの方のセッションを受けたり色々な書籍を読んで「人はみな自由意志を最大限尊重されている」ことを理解し、実践してきたつもりでした。
けれども、それは概念として頭で理解していただけで、無意識のうちに自らが作り上げた枠に
囚われたままだったのです。

また、枠は役割、立場ともいえるかもしれません。
女性であること、娘であること、妻であること、母であることetc・・・。
これまである意味「役割=自分」であった部分が全てなくなったというか、それらが何の妨げにもならないことを実感しました。

つまるところ、今まで自分に言い聞かせてきた言い訳が一切通らないことが分かって
しまったのです

分かったつもりでいたけれど、何にも分かっていなかった。

分かったつもりになっていた自分が恥ずかしく、情けなくなりました。(←既に「自我を裁く自我」の攻撃が始まっていますね。笑)

二つ目は、何の枠もないところで自分は何をしたら良いのだろう、なにをしたいのか分からないという不安に襲われたことです。

全ての枠が取り外された世界、無限の可能性の世界と言ってもよいかもしれません。
その中にぽつんと一人立っているような感覚がありました。

どこまでもどこまでも果てしなく続いています。
そこには何もありません。
自分で意図し、創り出していく世界です。

突然不安に襲われました。

これまでの自分の知っている(自分が作り上げた)世界は「ここからここまで」の
枠がありました。
その中に置いてある道具・素材を使って作りたいものを作ってきました。
時々「もっとこうしたいな。」「こうなったらいいのに。」と思うことはあっても、暫くすると
そう思ったことを忘れて新たなものを作り始める、その繰り返しでした。

今度の世界はその方法が通用しません。
それ以外やったことがないので(「やり方をすっかり忘れてしまっているので」と言ったほうが
正確でしょうか)どうして良いのかわかりません。

以前読んだ本に載っていたたとえ話

ずっと洞窟の中で生活していて、その中の世界しか知らない人々がいた。
ある時勇気ある一人が洞窟の外に出てみた。
するとそこにはさんさんと太陽が降り注ぎ、緑が生い茂る果てしなく続く大地が広がっていた。
彼は洞窟の中に戻って仲間に「ここを出て外の世界に行こう。とっても素晴らしいんだ。」
と呼びかけた。
みなは彼の後について洞窟の外に出た。
さんさんと降り注ぐ太陽の眩しさに目がくらみつつも、緑が生い茂る果てしなく続く大地を眺
めた。
そしてまたすごすごと洞窟の中に戻って行った。

に出てくる洞窟の住人の気持ちがよく分かりました。
戻れるものなら、私も戻りたいと思いました。

けれども洞窟の住人とは違って、もう戻ることはできません。
もともとそんな世界はなかったことが分かってしまったのですから。

何をどうして良いのかわからない私にとって、それはとても怖くて恐ろしい世界
のように思えました。

完全なる自由=不自由

こんな風にさえ思いました。

そしてそれからある夢を繰り返し繰り返し見ることになるのでした。
by setsuna-tsumugi | 2009-02-15 23:35 | エネルギー
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